💭「“ストレス”ってどうやって測るの?」という問いに答えるなら

——見えないからこそ、見逃されやすい。“心と体の声”に気づく医療へ

「ストレスって、どこまでが普通なんですか?」
「疲れてるけど、これってストレスですか?」

そんな問いを、診察室でよく聞きます。

ストレス——それは、
・血液検査にも出ない
・画像にも映らない
・明確な数値で“診断”できない

だけど、確実に私たちの心と体に影響するもの。

だからこそ、放っておかれがちで、気づかれにくく、
“我慢”や“気合い”で片付けられてしまう。

でも私は、医師としてこう伝えたいのです。

「ストレスは“感じ方”の問題ではありません。
体がすでに、何らかの“サイン”を出しているかもしれません。」

この記事では、
・ストレスが見えない理由
・体と心が出す“隠れサイン”
・気づくためのセルフチェック
・主治医とできる対話の医療

を通して、“ストレスに気づく力”を一緒に育てていきます。


■ なぜストレスは“測れない”のか?

医学には「数値化できるものが強い」という側面があります。

血糖、血圧、体温、心電図……
数値が出れば、異常かどうかが一目瞭然です。

でもストレスは、

  • 測定できる“単一の指標”がない
  • 人によって「感じ方」が異なる
  • 長期的にジワジワ積み重なる

という特性を持つため、
数値化しにくく、主観に頼らざるを得ないのが実情です。


✅ でも、体は“ストレス”を教えてくれる

ストレスがたまってくると、体と心は、こんなサインを出し始めます。


📌 代表的な「体のサイン」

  • 朝起きたときから疲れている
  • 肩こり・頭痛・まぶたの重さ
  • 歯の食いしばり、あごの違和感
  • 胃の不快感、便秘や下痢

📌 代表的な「心のサイン」

  • 食欲が急に増える or 落ちる
  • 人と話すのが億劫になる
  • やる気が出ないのに、無理して動いている
  • 笑顔や言葉に“反応の薄さ”を感じる

ストレスとは、“見えない病”ではなく、
**“見逃されているサインの集合体”**なのです。


■ ストレスに強い人ほど、実は“鈍感”になっている

特に、責任感の強い人、まじめな人、リーダータイプの人ほど、
ストレスに“気づけない”ことがよくあります。

理由はシンプルです。

我慢するのが当たり前
→ 疲れていても動けてしまう
→ 動けているから「大丈夫だ」と思ってしまう

でも本当は、
・睡眠の質が落ちている
・怒りっぽくなっている
・感情の波が小さくなっている

といった、“小さな壊れ始め”が、もう始まっているかもしれません。

「我慢強さ」は、ときに「鈍感力」へと変わってしまう。
これがストレスの怖さです。


■ ストレスに気づくための“日常のセルフチェック”

Truvitaでは、次のような“習慣の変化”に注目しています。


☑ ストレスのセルフチェック項目

  • ここ1ヶ月で、睡眠の質はどうだったか?
  • 食欲に“波”を感じたか?
  • 他人との会話ややり取りを避けたくなったか?
  • 「なんとなく疲れている」が続いていないか?
  • 怒りっぽさ・悲しさ・虚しさが増えていないか?

これらのうち2つ以上に該当する場合、
ストレスによる心身バランスの変化が始まっている可能性があります。


■ 医師が見るべきは、“数値”より“感覚の変化”

私たち医師が診察で注目するのは、
血液検査の結果だけではありません。

「最近、以前よりも〇〇になってきた」
「なんだかリズムが崩れている気がする」

——こうした、“本人の違和感”こそが、一番信頼できるデータなのです。

数値化できない「変わった気がする」という言葉は、
医療の現場では**最も見逃してはいけない“体と心のサイン”**です。


■ ストレスは、“治す”より“整える”

ストレスをゼロにすることはできません。
人間関係、仕事、気候、身体の不調——
現代を生きる以上、**ストレスは“避けるもの”ではなく“整えるもの”**です。

だからこそ必要なのは、

  • 自分のストレスに気づく力
  • それを他者と共有できる関係
  • 無理をしない生活の設計

この3つです。


■ Truvitaが提案する「ストレスと向き合う医療」

Truvitaでは、
単に「ストレスを減らしましょう」というアドバイスではなく、
“ストレスをどう受け止め、どう扱うか”というプロセスに寄り添う医療を大切にしています。

たとえば:

  • 定期的なストレス状態のヒアリング
  • 睡眠・食欲・気分変化の経時チェック
  • 生活と働き方のリズムの再設計
  • 必要に応じたカウンセリングや専門医の紹介

こうした支援を通して、
「我慢しない、でも崩れない」暮らしの設計を一緒に目指しています。


■ 最後に:ストレスに気づけることが、“健康の第一歩”

ストレスは、見えない。
でも、確かにある。

だからこそ、

「気づける力を育てること」
「気づいたときに誰かと話せること」

——この2つが、本当の意味でのストレスケアなのです。

「なんとなく疲れてる」
その小さな違和感に、今日あなたが気づけたなら。

もうそれは、“変化の始まり”かもしれません。

—— Truvita

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